大規模なロケーションが売りの冒険アクションなら趣味じゃない、と思っていたのだが、どうも様子が違うらしいので映画館に足を運んだ。
最近続々公開される韓国映画の中には、パク・チャヌクやキム・ギドクの作品等、人間のダークサイドを執拗に描き込むものがあり、個人的には最も興味を惹かれる。このイム・ピルソンという新人監督による大作も、その流れのひとつとしてとらえることができるものだった。ここでは、南極大陸の過酷な自然(ロケはニュージーランドだが)は、人間が知恵や努力によって乗り越える壁としてではなく、人間を精神的に追い詰める、白くて巨大な密室もしくは迷路として描かれる。閉ざされた世界の中で、少しずつ狂いはじめる人間の理性。
惜しまれるのは、サスペンス、ホラー風の味つけが過剰に施されていること。興行的な成功を狙ってのことだろうが、せっかくの主題を曖昧にしてしまっている。そういえば韓国映画では、ラブストーリーにすら必要以上の仕掛けや謎解きが組み込まれていることが多い。興行成績に過敏になるあまり無用な小細工に走りすぎている気がする。
9月4日@ゴールド劇場(名古屋)